以前の記事のコメントでイラストのことについて質問されたので、教えたがりで喋りたがりのうちが人体パースきょうしつやっちゃうよー。あたいみたいな絵師目指してがっばっていってねー
さて、まず諸注意というか何というか。
勉強にも色々方法があるのと同じように絵の上達にも色々方法があると思うんですね。
イラストなんかは特に目標からして色々あるわけだし、勉強と違ってその成果が人生に関わってくるって人はほとんどいないものだから、その目標にかける時間も様々かと。あと勉強方法なんかはもう完璧に合うかどうかだし。
てことでうちのスタンスをあらかじめ書いておくと、うちは失敗はするべき、間違いは自分で気がついてこそ身になる、楽しくゆっくり、って感じです。
それぞれを語り始めるとそれだけで記事一回分ぐらいになりそうなんで、気になる方は吹き出し読んでみてください。…あ、別口ですが吹き出しについて意見をいただいたんで一応書いておくと、読み終わる前に消えちゃう吹き出しは吹き出しにカーソルを載せておくことで消えなくなりますのでー。近々消えないように調整しようと思ってますがそれまでは順応いただく感じですみませんです。
で、以上のスタンスが合わないなと思ったらこんな人もいるんだな程度に読み流すなり読まないなりしていただければ。
じゃまずパースってとる必要あるのかについてですが…。えっそこから!?まぁまぁ。
まぁまぁのついでにこの絵をみてみましょう。
今こさえたのであまりにもあんまりな絵ですが、この絵ってどうです? 萌えます? 綺麗です?
多分どっちでもないはずです。それは人っぽくないからじゃないですかね?
この手の話は掘り下げるとなかなか難しいんですがね。二次元は目もでかいし骨格もおかしいから現実のものに当てはめられないとか、いやでもフィギュアはしかり立体として成り立ってるじゃないかとか、逆にリアルすぎるCGも不気味だぞとか……、みんなあーだこーだ言ってもやっぱり人の絵である以上人っぽくないとってことなんじゃないかと。
ていうか現代のこの手のイラストの行き着くところエロですからねー。パーツはデフォルメされてても骨格とか要所の位置関係とかは大事なのかと。
てことで、なんだかんだ言っても骨格を押さえないといけないことが分かったかと思いますが、じゃそれはどうしたら書けるのかは、人体パースが一般的って事なのです。
あくまで「一般的な」ってだけで方法はそれだけじゃないですよね。スケッチとかしてこのホーズはこうって覚えていくんでもいいし、目に見たイメージをぱぱっと描き起こせる人ならパースなんて必要ないし。ここもその人の性質によるものだと思います。勉強に例えれば、理論を覚えて応用させていくか、全部を丸暗記するか。絵の場合はパース絶対論が大多数ですが、これだけネットが栄えてる今、パースを知らなくても人のイラストの模写だけでマンガなんて何本でもかけると思うんで、必要ないなと思ったらそれでいいと思います。
ただ今回のタイトルがあくまでパースきょうしつなんでパースを推しておくと、パースを極めると手元にあるイラストとかの別の角度を想像して起こしたりとか出来るらしいですよー。正面からの写真を見て俯瞰の絵が描けるとかお得ですよねー。
強引に繋げたところで人体パースの話にしましょうかー。文字数もかさんできたし。
パースと言っても難しいことはありません。意外と絵を描いてる時は意識しづらいことに、人の体って関節以外は曲がらないんですよね。当たり前と言えば当たり前なんですが。
てことで骨組みから考えてポーズを描きたい場合は、可動する点と棒が描ければいいのです。そうは言ったってプロ並みのアレは描けないだろうと言われればその通りですが、プロ並みのアレを描ける人たちも可動する点と棒を描いてるだけじゃないですか。要は棒の長さと関節の動く範囲を正しく把握すればひとまずはいいってことです。
じゃそれの棒の長さと動く範囲ですが、…やっぱり絵の好みもあると思うのでそれは各々にお願いしたいかなって…。
ただそれでもどうしても分からない! って場合は偶然ちょうどいいサンプルが手元にあります。自分の体を見てみましょう。
腕が長すぎるけどどれぐらいが良いのか…、自分を見てみると手首が腰と同じぐらいの位置にあるはず。手を上げた時のひじの位置が分からん…、頭のかなり上のところがひじ辺りでしょうか。こんな感じに。
あと動く範囲は突き詰めると人体模型と筋肉の張り方をにらめっこになってしまうんですが、楽しく絵を描くって考え方からすればここは気になるポーズの絵や写真を模写するのがいいかと思います。
自分の場合は、まずその写真とかからパースをとってみて、それから肉付けと言いますか、イラストっぽく仕上げてみたりします。
てことでうちも描いてみました! ブログの記事用なので全然凝ってませんが過程はこんな感じですー。
丸と線ですね。元絵をなんとなく見ながら描いてました。既に元絵と違います。
青線で人っぽくなりました。今見ると左足は直さないでそのまま外に出してた方がポーズとしては良かったなぁ。
ざっとですが線画が出来上がりました。ちなみにここまでで15分ぐらい。後々見てみれば、胴がちょっと長いし、ひねってたはずの肩が知らない間に正面向きになってたし、ちょっとかしげてたはずの顔は水平になってるし、──結構つまらないポーズになっちゃってるのをこれから手直しをしたりします。
まぁ色々ですが、この黒線が描けるようになればポーズ本じゃない素材からも絵が起こしやすくなるし、この青線が上手く描けると違和感がなくなるし、赤線が上手に描けると人気者になれます。うちは見ての通り、青線の肉付けが出来ない。うぐぅ。
青線以降については自分でも今だ分かってないので大きいことは言えないのですが、黒線をとるのに大事なのは立体把握じゃないかと思いますー。
てことで立体把握とは!? …いや字の通り立体を理解しイメージし描き出すことなんですがね。
また図を作ってみました。こんな感じの事が出来るといいなってやつです!
ものの長さは自分の体で測れますが、それの角度が変わった場合の見え方はなかなか分かりません。これを複雑な形でも空想して描けると、きっと見本から解き放たれます。いちから描ける絵がぐっと増えます。
ただそうはいっても立体なんて全然イメージできないよーとお思いかと思います。うちも結構最近までそうでした(※)。
そんな貴方にはこれ。
関節が動くフィギュアー! fimgaとかねんどろいどとかですねー。
これを見ながら絵を描いてみたりしてみるのです。ちょっと上から「首はこの辺かなぁ」とか思いながら眺めてると、見えない向こうにあるものの位置が分かってきます。
それにこれにポーズをとらせて、それを見ながら絵を描くのにもいいと思います。
ただフィギュアの関節は結構色んな方向に動くので、フィギュアでポーズを決める時は自然な姿勢かどうかを確認した方がいいです。自分でやってみると意外に痛い姿勢だったりしますね。
そう、さらっと書いたけど、姿勢が自然かどうかってすごい大事なんですよー。上の方にあった上手くない人の例みたいな画像もそうです。
再掲。右手のピースがなんか不自然な気がしません? 全体的に不自然な絵なんで難しいところなんですが、体が正面を向いてる状態で手を真横に広げるのってすごいきつい姿勢なんですね。なんでしたらやってみましょう。ああ、あまり人目のない場所でね。
カッチカチに緊張してるとかそういう場面を除けばだいたいポーズは楽な姿勢が自然な姿勢になります。日常の動作は意識せずやってるわけですし。
はい! こんな感じです!
色々書きましたが、講座ってより自分のやり方を紹介しただけじゃんってね。まぁそんなもんです。上でも書いたとおり、人によって違うので色んなのを見て一番すんなり理解できる方法で描くのがいいと思います。あくまで自分の場合を示しただけってことで。
どんな方法にしろ1日や2日で上手くなるもんじゃないです。ただ要点に気付いたり、効率の良い方法を編み出したりした時にぐっと成長するものなのかとうちは思ってます。そういうを素早く飲み込むと1年で見違えるほど上手になったりするのです。なんかなーとか言いながら全然描かないで過ごしてくるとうちみたくなります。こんなですが15年目ですからねー。
以上教えたがりの独り喋りでしたー。こんなで良ければまた訊いて下さいー。