この映画を見た2022

しれっと2023年になってます。ってことで相変わらずのこの映画を見たコーナーです。
ごちうさ風タイトル画像(に見えます?)で妙に箔がついた感じを醸し出してますが、「〜がすごい!」とか「〜が来る!」とかそういうのではなく、とりあえず見たことを報告するコーナーです。

四畳半タイムマシンブルース

そうなんですよ。この時点で既に10月。全然映画見れなかったんすよね。
ちょっと調べたら1月〜3月には結構いろいろやってたらしいんだけど年度末で行けず、その後めぼしい作品がずっと無く、映画見たいと思って検索かけても足を運ぶような作品がなくて諦めること数回。夏頃から急に「雨を告げる漂流団地(9月)」「夏へのトンネル、さよならの出口(9月)」「ぼくらのよあけ(10月)」「僕が愛したすべての君へ(10月)」「君を愛したひとりの僕へ(10月)」と、この四畳半とわたてんが一気に上映になったという。さすがにこれはタイミング考えてよって言いたかった。上映時期を5月から10月に散らしてくれればもしかしたら全部見に行ったかもしれなかったのに…。

で、その中で四畳半タイムマシンブルースを選んだわけですが選定動機として、まず漂流団地は2週間限定上映だったので既に終わってて、わたてんとぼくらのよあけはまだ上映が始まってなくて、僕が愛した…と君が愛した…は多分わりとロングラン上映になるだろうと踏んでのチョイスでした。後になってみれば四畳半…が年末ぐらいまで上映してるロングラン映画だったという。

てことで四畳半タイムマシンブルースです。あいかわらず原作も映画の宣伝もノーチェックで見に行きました。あ、動画広告は結構流れてたかもだけど、その印象はキャラデザが趣味に合わないかもしれない、みたいな雑なものだけでした。
そんな第一印象だっただけに最初の方は何が目的なのかもどう面白いのかもよく分からない駆け引き(?)がしばらく続き、どうなっちゃうんだ?と思ったりしてました。ただ映画を撮り始めたぐらいから、なんかわかりやすい伏線が張られはじめ、どんどんわかんなくなってました。もう最終的にはキャラデザとかどうでもよくなるような作品でしたね。いやキャラデザよかったね。作品の雰囲気にぴったりでした。やっぱりなにも知らないで見に行く映画はおもしろいもんですねぇ。
時空モノって大好きで、一応最初の方は分かってたつもりだったんだけど、気づけた伏線の裏側でまた別の伏線が敷かれているという。恐ろしい作品だった。
タイムマシンっていうモチーフだけであんなにいろんなことが起こせるの?っいうすごさと、ほぼ出来事の舞台は基本的にワンルームアパート内でしか起きてないというコンパクトさに、ぐうの音も出ない。話作り上手すぎ。いやまあプロな訳だが。

うちの漫画のバイブルのひとつ「宇宙賃貸サルガッ荘」も物語のスケールはクライマックス以外はワンルームアパート内での出来事にほぼ始終するんですが、クライマックスの合間のちょっとした休憩シーン(かつ重要なシーン)で主人公が「なんつーか広すぎンだよ。オレみたいなミジンコには。口ばっかで結局何もできてねぇ」「四畳半もありゃ十分かなって。ホラこんなに狭くてもおまえにすら届かねぇ」なんて会話があって。前後のシーンがわかんないと何のこと言ってるか分かんないと思いますが、うちが言いたいのは、スケールが狭くたって面白い話や深い話は描けるんだなー、と。
サルガッ荘を読む前は、FF的なゲームだったりワンピース的な冒険モノ漫画だったり摂取してて、面白い作品はスケールが大きいとか壮大みたいな固定概念があったんで、それを覆されたことでバイブルとなったわけですが、四畳半タイムマシンブルースはそれを再確認+α(狭い舞台だからこそ伏線やトリックが深く展開していく的な)させてくれる作品でした。

私に天使が舞い降りた! プレシャス・フレンズ

ふたごさんに「早く見に行かないと終わっちゃいそうじゃね?」って言われた流れで一緒に行きました。上の四畳半タイムマシンブルースとは真逆の、何も起きないのがいい映画でした。ただ秩父に行って川遊びしたりお祭りに行ったりするんです。まぁ川遊びもお祭りも行けばそれなりのことは起きるわけですが、あくまでそれなり。ついて行けなくなるような展開も、戸惑うようなクライマックスもなく、結局みんなかわいいってだけで充分な映画でした。

すずめの戸締まり

これこそ年明けてからでも上映してそうな作品でしたが、もらったチケットの関係でこのタイミングに行くしかなくなって、ほぼ上映開始直後に見に行きました。
いろんな意味で安定の新海作品でしたよね。まず背景の色使いはきれいだった。ほんと自然と空を描かせるとそうそう横に並ぶ人はいないですよねぇ。最近新海作品に触発されてかボラスがアニメでCM打ってるんだけど、絵コンテが上手くなかったり色指定がいまいちなんであんまり惹かれないもんなー。大成建設はしっかりした所に頼んでるってことかーなんて思ったり。
あと社会の明るくないところもあえて隠さず描くとこも新海監督なんだろうなと。天気の子の時も賛否が分かれてた気がしますが、うちはあえて隠すことはないと思ってるんで、ああいう著名な人が切り開いてくれるってのはいいことだなっていう肯定派です。子供の時に気になってたもん。いつ見てもcloseって札がかかってる窓のないお店、スナックって書いてあるけどなんてお店なのかなースナックだからお菓子関係かなーとか。それをどう受け止めるかは子供が考えればいいと思う。

今作は時空モノ的な宣伝が打たれてるみたい(今見た)ですが、うちの時空モノ好きの琴線には触れず、どっちかというと扉を中心に描かれる家族とか帰る家とかいうモチーフを大事に作ってるように感じたんですよね。
うるさいお母さん(?)と一緒に暮らす家にも扉があるし、後戸だって扉だし、今作は扉が分けるいろんな線をそれぞれ表現してたように感じました。
観覧車の扉だって転落しない安全柵ってだけじゃなく遊園地で二人の密室を作る非日常的な空間っていう線を表すものだし、居候したスナックの扉だって子育てママの住居と夜の仕事場という空間の役割的な意味とか母親の顔と仕事人の顔を使い分ける線を表していたし、ルーフが出ないスポーツカーだって走り出してしまえば逃げ場のない密室になる、あれはむしろ転落して扉がもげ落ちるところに不穏なシーンが始まる予兆を表してたのかな。考えすぎかもだけど、ドアノブを握るシーンと鍵をかけるシーンはよく描写されてたから何かしらの意味は込めたかったんだと思うし、当たらずとも遠からずってとこかなーなんて。
それと繰り返す出会いと別れそれぞれに挨拶のシーンをちゃんと書いてるのもいいなーと。うち自身かなり大人になるまで挨拶の意味って分かってなくて………というか意味がないからしなくていいぐらいに思ってた人だったのでややこそばゆかったり。
総じて、設定は難しかったけど設定語りに没頭しすぎず、でも難解さはあまりなくて、むしろ設定とか気にしない人でもおそらく敵を倒すぐらいの認識で楽しめる作りになっててすごいなーなんて思いました。

はい。ってことで、3本です。何という少なさ。いやほんと見に行きたい時期と上映スケジュールが合わなかったんだよなぁ。
2023年はもっとたくさんみたいですね。ほな。

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